2014年夏も、7月〜8月にかけて、宮城、福島、岩手の3県の被災地から、中学生16名をハワイに招きました。到着から元気いっぱいの子供たちは、空港に到着後、まずは在ホノルル日本国総領事館に直行。ここで、ハワイ地元の有志たちから歓迎を受けました。それぞれのテーブルでハワイで活躍する大人たちと交流しました。
初日はまず、総領事館からノースショアのキャンプアードマンに移動。ここでは、ハワイ地元の子どもたちも合流し、一緒にさまざまなプログラムをこなしました。チームに分かれてのアクティビティーやチームビルディングなどを経験する中で、いつしか言葉の壁を越えた友情が芽生え始めたようです。2泊3日のこのキャンプで、自分をさらけ出すこと、問題解決のために仲間と協力すること、そんなことを自然の中で学べたようです。一緒にアクティビティーに臨んだハワイの子どもたちは、チームビルディングということでは先輩。東北のキッズたちは、海を目の前にした大自然の中で、いろいろなことをハワイの子どもたちから学んだようです。キャンプで開催されたバーベキューでは、地元NPOが東北支援のための焼きそばを提供する場面もありました。
ホノルルに戻った子どもたちは、ハワイ大学のメインキャンパスにある宿泊施設に投宿。世界中から学生が集まるアカデミックな雰囲気の中で、書店を見学したりなど大学の施設を満喫したようです。ここからはワイキキにショッピングに出かけることもありました。ショッピングや、ショッピングの合間の食事などは子どもたちが実際にお金を払って、英語で注文。店員さんとのコミュニケーションの中で、英語を使う喜びを感じました。道端で話しかけられることも多かったようです。ハワイではレインボーキッズのことは大きく報道されており、地元の人たちにはお馴染みのキッズグループになったようです。
さて、この滞在の中盤にやってきたのは、今回のハワイ滞在のメインイベントともいえる、「東北ーハワイ未来サミット」。カカアコ地区にあるハワイ大学医学部のホールをお借りして、ハワイから選抜された同世代のチームとともに、東北の今、そして東北の未来を発表しました。キッズたちは5チームに分かれて、日本にいるときから準備。故郷への想いを、地元から集まった多くの聴衆を前に発表。こんな機会は、おそらく初めてだったに違いありません。
サミットでの発表に頑張ったキッズたちには、ご褒美も。ヒルトン·ハワイアン·ビレッジのラグーンでのカヤックレース、スタンドアップパドルサーフィン体験、そして、「イルカ大学」の協力で西海岸で野生のイルカとの交流など、ハワイの自然を大いに満喫しました。キッズたちは、とてもリラックスしてハワイの海を楽しんでいました。彼らの目には、東北の海の未来も見えていたのかもしれません。ヒルトン・ハワイアン・ビレッジでは、和食レストラン「初花」さんが無料でディナーをプレゼントしてくれました。
西海岸に行った際には、マカハのハワイ住民のご自宅に宿泊させていただく体験も。16人が泊まれるほどの豪邸に驚きながらも、ボランティアの協力で、ハワイ料理の調理と習ったり、庭で動物たちと戯れたり。クッキングの腕もしっかり上がってようです。ボランティアの協力はまだ続きます。ハワイで有名なウクレレメーカー「コアロハウクレレ」のおかげで、ウクレレを手作りするというチャンスにも恵まれました。コアロハウクレレは、注文しても半年待ちという人気メーカー。多くのバックオーダーを抱えています。でも、その日は製造ラインをすべて止め、従業員総出でキッズたちのウクレレ作りを手伝ってくれました。オーナーのパパさんもママさんも、従業員たちも、「子どもたちが楽しんでくれるなら」とずっと笑顔なんです。完成したウクレレはキッズたちにプレゼント。これがハワイのアロハスピリットです。
最後の夜は、天台宗ハワイ別院にて送別パーティーが開催されました。東北の子供たちが歌い、踊り、ボランティアの方々が用意してくれた地元料理を食べ、集まったハワイ地元の方々に英語でお礼のスピーチをしました。ハワイの名士たちは、子どもたちの姿に大喜びでした。その日は天台宗に宿泊。翌日のホノルル国際空港では、涙を流す子どもの姿がありました。
子どもたちは、ハワイからアロハスピリット、そして多くの「夢」と「希望」を受け取り、東北に帰っていきました。彼らの心に植えられた希望の光は、かならず東北を照らすことでしょう。16人のキッズたちが、東北を支えるリーダーになることを私たちは期待しています。がんばれ!レインボーキッズたち!